健康のその先

健康の定義としてよく引用されるのは1947年に採択されたWHO(世界保健機構)憲章前文です。

ところが、人類の歴史は自身の幸福、あるいは自身の属する組織、国家の幸福を求め、他者の幸福を踏みつけてきました。奴隷制度、植民地政策、領土やエネルギー資源の奪い合いなどを行ってきました。
しかし、このままでは自身の幸福どころか、人類の滅亡に進みかねません。
それは個人でも同様に、個人主義が行きすぎれば格差が拡大しやがては人類の歴史が示すような既存社会の破壊、社会の変革、革命になるのかもしれません。その変革がこれまでの歴史にあった悲劇的繰り返しでないことを祈ります。

まだ、時間と経験が人類には必要なのかもしれません。国家間の亊どころか、個人の身近な人間関係でさえパワーハラスメントを初めとした様々なトラブルが多く感じる今の世の中です。人類は、人は、これからも同じ過ちを繰り返してゆくのでしょうか。人権の尊重、差別をなくす、平和を求めるなど歴史、経験から学習しそれでも、少しずつ、部分的とはいえ良い方向に進んでもいます。これからも少しずつ、一歩ずつ、個々の意識が変わり、社会も良い方向に変わっていると信じたいです。

国際社会においては科学、文明の発展は他国との距離を縮め、世界はお互いが影響し合う関係になってきました。経済、食料、環境問題、国防ほか自国だけではもう対応できなくなっています。
自身、あるいは自国の幸福のために、他者、他国の幸福も同時に実現できる世界が、社会が、これからは必要なのです。
そのためには様々な言葉、文化、歴史、考え方、宗教をもつ世界のコミュニケーションがさらに発達し、人と人の交流を通して理解しあえる関係が必要だと思います。
科学、技術が発達すると同様に、人の心、優しさ、理解しあえる能力も発達してゆけると思います。

いつかspiritual(霊的)という概念が、様々な宗教観、世界観、哲学などの違いがあっても、部分的でも共通の認識を持って、WHOの健康の定義に加われるようなより深いコミュニケーションができる状態が実現できる世界となることを願います。
今はまだ、それだけの相互理解、議論が足りていないから定義に加えることは出来ないとは思います。しかし、人類の進化、科学の発展から、いつかは統一した霊的な概念というのかその未知の概念も世界のすべて人が理解出来るときが来るのかもしれません。

健康は心と体、そして社会的にも満たされた状態、そういう状態をすべての人が実現できる社会、世界。

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